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普段着の思い、いろいろと

   
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知り合いのゼネコンの現場所長さんの計らいで、某N設計の設計監理の某本社ビルを見学させてもらいました。


 たぶん延床面積2000㎡もない事務所ビルです。所長さんの説明(苦労話)によると、壁クロスが30種類、床仕上材も30種類、すべて輸入品。設計者曰く、オリジナルデザインのこだわりとのこと。
 なんじゃそれ!
 ミースを思い出します。ミースはデザインという言葉を嫌いました。「デザインではなくソリューションでなければならない。問題が同じなら解答は同じでよい、否、同じであるべきなのだ。」
 この設計者にとっての問題は何なんだろう。
 見学させていただいたのにすみません。

 そういえば、建築士会連合会賞優秀賞「ホキ美術館」の石山修武さんの選評が笑えます。
 http://www.kenchikushikai.or.jp/data/rengokai-sho/2013/01.pdf

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新国立競技場の設計案の混迷について、ついに磯崎さんが発言しました。全文紹介します。
(出典:architecturephoto.net
 
新国立競技場 ザハ・ハディド案の取り扱いについて  磯崎 新

一昨年、国際コンペによって選ばれたザハ・ハディド案は、21世紀の都市的施設として、運動競技のスピード感を呼び起こす、優れたイメージをあらわすデザインであると感じ、東京都民のひとりとして支持してまいりました。

ところが、先日から開催されている「ザハ・ハディド」展(東京オペラシティアートギャラリー)で詳細にわたり発表されている修正案を拝見し、当初のダイナミズムが失せ、まるで列島の水没を待つ亀のような鈍重な姿に、いたく失望いたしました。このままで実現したりすれば、将来の東京は巨大な「粗大ゴミ」を抱え込むこと間違いなく、暗澹たる気分になっております。

コンペの選考発表以後、さまざまな立場からの意見が発表され、さらに実現のためのアセスメント、プログラムや予算の見直しなどがなされたあげくに、この修正案が作成されたと伝え聞いております。環境への配慮、過重なプログラムの再編、適切な予算への整合など、重要な施設がつくりだされる過程でいかなる場合でもたどらねばならない道筋です。とりわけプロフェッショナルな建築家であれば当然の仕事です。にもかかわらず、修正案は当初案への賛否いずれの側の人達もが満足できない結果になりつつある。すべての関係者がオリンピックの歴史に誇れるようなデザインを求めてきたことを私は疑っていません。ところが間違ってしまった。

捻れが起こってしまったのです。

私は建築家としてこれまで多くの国際コンペに審査員や応募者として関わってきました。1992年第25回夏季オリンピック(バルセロナ)の「パラウ・サン・ジョルディ」、2006年第20回冬季オリンピック(トリノ)の「パラスポーツ・オリンピコ(パライソザキ)」などの主要競技施設の設計者に国際コンペを通じて選ばれ、その建設過程を経験した建築家として、現在の新国立競技場デザインの取り扱われ方を憂慮しているひとりです。

巷には、さまざまな意見が流れております。

一、国際コンペの正統な手続きによってザハ・ハディド案が選ばれたことをあくまで尊重して下さい。

二、その当初案が神宮外苑の環境に適合しないという有識者、建築家、市民の批判を正当な見解として承認して下さい。

三、国際コンペの与件としてのプログラムが過重であったためにさまざまな期待がふくれあがり、適切な予算をはるかに超えるデザインになった事態を冷静に反省して下さい。

四、新国立競技場をオリンピック誘致の「目玉」に位置づけたキャンペーンがなされましたが、このイメージに国際コンペの手続きとともにメディア上では国際公約の役割をさせていた事実を消し去らないで下さい。

ここに述べた事態は私見ではなく、メディアに流れている見解を整理したに過ぎません。相互に矛盾しています。だが現在のまま進行してしまうと、この議論において指導的な役割をしている人々全員が後世に恥をさらすことになります。国際的に類似の事例を経験してきた建築家のひとりとして、次のように考えます。

A、サスティナブルな競技場として現在地で更新するが、一過性のイヴェントであるオリンピック開会式にはつかわない。オリンピック競技場の基準にそったフィールドに整備すると同時にポスト・オリンピックに運用されると思われる諸施設を組み込む。群衆の流れなど周辺環境に配慮し、景観形成に細心の注意をはらう。

B、主競技用のフィールドで開会式を打ちあげた、かつてヒットラーの演出したベルリン大会以来のフォーマットを超えるメディアの時代のライブ性(10万人程度でなく、同時に10億人がテレビやインターネットを見る)をいかす舞台として、二重橋前広場で2020年の東京オリンピック開会式を挙行する。
江戸城の堀、石垣、櫓を背景にして、競技場フィールドより広い舞台を前に立体的な桟敷を設ける。約12万人収容可能。50に分解できる。終了後、全国各県にオリンピック記念公園(競技場)をつくり分散移設。空中を飛翔するカメラをはじめ、あらゆる角度からの映像を全世界に流す。

C、国際コンペの審査結果を尊重する。この段階の決定には一般的に二つの解釈がある。①、「案」を選ぶ。そのままの姿で実施する。(建築家は無名で、案の物理的な姿を評価する)②、その案を作成した「建築家」を選ぶ。プログラムに変更があるとき、その建築家が条件に適合する新しい案の作成者になる。(建築家の潜在的能力が評価される)

新国立競技場案が迷走している理由は、①、「案」をえらぶ、ことに固執してしまって、自縄自縛に陥ったためだと思われます。諸条件が②であるべきなのは当然の流れなのに、何故かザハ・ハディドという署名入りの案を選んだと関係者が思い込んでしまった。国際コンペの通念に無知、無理解、無責任な判定が、すべての流れを捻らせたのです。

私のかかわったオリンピック施設の場合は常に②のケースでした。私は新しい条件に対応して、更に新しいアイディアを加えて、実施設計から管理までつき合うことができました。プロフェッショナルな建築家であれば、状況の変化に柔軟に対応できねばなりません。今回の当選者ザハ・ハディドは、30年前に私はその才能を発見して、その後いくつかの共同の仕事をやった建築家で、彼女のプロフェッショナルな能力は抜きんでており、どんな困難な時でも自ら主体的に参画していれば、自らの署名をそのデザインに残しうる人です。修正案にはその片鱗もみえない。歴史的な誤謬がおかされた、と言わざるを得ません。

今からでも遅くない。当選決定(国際公約です)の時点に立ち戻り、二年間の賛否両論はプログラムの検討スタディだったと考え、ザハ・ハディドにその条件を受けてあらためてデザインを依頼する。彼女はそのような対応のできる建築家です。

そのうえで、最終選考の際、対抗案として比較されたと伝えられる、SANAA案の作成者妹島和世にプログラムに含意されていたオリンピック開会式場のデザインを依頼する。今後の開会式場の扱いは、2020年東京大会をプロモーションしてきた方々の責任です。

アリーナ型の昔ながらのサイズに閉じ込めるのではなく、東京を超えて日本の中心である光景を背景に世界に向けてイヴェントを発信する、21世紀型オリンピックの新しいフォーマットを、ここ東京でつくりあげることになります。
 
 
 これまで、槇文彦さんや元倉眞琴さんなどから、案に対する異議が発言されたきましたが、今回の磯崎さんの言説は、コンペ審査後のことの進め方に対するものです。いずれにしても、審査委員長を務めた安藤さん、責任ある立場として回答をすべきではないでしょうか。

11月6日、NPO埼玉・住まいの会の研修会に参加しました。

・高柳建築設計の琴寄工房にて、レオナルド・ダ・ヴィンチの考案した「レオナルドの橋」の構造フレーム見学。
「釘を使わない、分解して運べる」すぐれもので、ダ・ヴィンチ・グリッドの一つの応用例ともいわれています。構造から考える建築の発想の面白さ、大切さを改めて考えさせられます。

 あいにくの雨と思ったら。雨上がりにきれいな虹が。
画像ではよく分かりませんが、虹が二重になっています。


・水を蓄熱体に使った床下暖房について(講師:イゼナ 前田氏)。
 水の対流を利用した蓄熱方法の立ち上がりの早さ、高効率を確認。
 もう少し安くなればよいのですが。
 http://www.izena.co.jp/

高柳建築設計事務所に移動して
・高資産価値住宅について(講師:高資産価値住宅評議会) 
 
・超断熱、スエーデン建材について(講師:モーラ 金井田氏)
 省エネ、エコ、もちろん賛成です。断熱性能をどこまで求めるのか、自然と仲良く暮らすことの気持ち良さと両方満足できるように考えるのが当たり前なのだが、、、
  http://mala-gruppen.com/index.html


9月7~8日、NPO・埼玉住まいの会の研修旅行で、群馬、長野に行ってきました。
1日目、上州小幡(甘楽町)~松井田町~軽井沢~海野宿~信州上田あずまや高原ホテル泊。

上州小幡の武家屋敷&楽山園からスタートです。
   
楽山園は江戸時代初期に織田氏によって造られた庭園。建築物は平成12年国指定名勝になってからの復元のため、綺麗すぎてテーマパークにいるみたい。いったん壊された文化財の復元の難しさを考えさせられます。近代建築の保存も手遅れにならないうちに!

旧松井田町役場(設計:白井晟一)
今は松井田町文化財資料室ということらしいが、倉庫?
docomomo Japan に選定されていますが、保存されているとは言い難い状況。


軽井沢千住博美術館(設計:西沢立衛) 
館長さんに話を聞くことができました。 外周ガラス面を覆うレースのスクリーンは、外からのタダ観対策。冬は結露水が滝のように流れ、これもアートかと訊かれるとのこと。笑えない。

(内部は撮影禁止なので、自動ドアの隙間からこそっと)

美術館付属施設のショップ(設計:安井秀夫アトリエ)


海野宿(重要伝統的建造物群保存地区)
かつての北国街道の宿駅。まだ観光地化がすすんでなくて静か(^o^)

・・・つづきはこちら

8月8日、埼玉県の被災建築物応急危険度判定士の講習会を受講してきました。

 
 建築家は社会の役にたっているのかと聞かれて、はい、と言えるかどうか。自分は何ができるのかを考えることがあります。
 医者や弁護士と違い、困ったことがあって建築士を訪ねてくる人は少ない。また、画家、作家、音楽家のように、人々の心を癒し明日への希望を与えられるようなものをつくっているかといわれると、これもあやしい。

 
 考えるよりは行動しようということで、応急危険度判定士の講習会に参加しました。地震により被災した建築物について、その後の余震等による倒壊等の危険性を判定し、被災後の二次災害を防止することを目的にした制度で、登録された建築士は、地方公共団体からの要請があれば、ボランティアとして活動します。
 目にみえるかたちで社会に貢献する行動になるのですが、出動要請がないほうが望ましいのは当然です。




  
プロフィール
HN:
Takashi Yashima
性別:
男性
職業:
建築家
趣味:
バンド、フットサル、、、
自己紹介:
バンドやってます。
フットサル、テニス、野球、、、やるのもみるのも好きです。
何もしないことが苦手です。
さいたま市で設計事務所をやってます。
E-mail studio@8888ma.net
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